Sunday, November 12, 2006

『英語ビデオ漬け 気をつけて』 言語聴覚士の見解

今日の朝日新聞に気になる記事が掲載されていました。その記事には『英語ビデオ漬け 気をつけて』というタイトルが付けられていました。

言語聴覚士の中川信子氏によると、「ことばが遅くて心配」と相談に来られる2歳くらいのお子さんが、赤ちゃんのときから英語教材のビデオ漬けだったという例を見聞きすることがあるそうです。赤ちゃんがどんなふうにことばを学んでいくのか、今だ解明されていないということですから、その因果関係は証明できてはいないとのことですが、私は少なからず影響を及ばしているのではないかと思っています。

実は、私がフランスに留学していた際に、母国語も第二外国語もどちらも中途半端になってしまったバイリンガルを何人も見てきたからなのです。特に香港出身の留学生にその傾向が強かったような気がします。
香港出身の留学生たちと英語で話していた時、その稚拙な表現と語彙力の無さに、私はきっと中国語の方を母国語にしているに違いないと思いながら「あなたたちの母国語は何?」と質問してみました。すると「英語だよ。」という返事が返ってくるのです。「英語なの?」と聞き返す私に、「でも、中国語も同じくらい話せるけどね。」と言うではなりませんか。
確かに、彼らの英語は日常生活には事は足ります。でも、これだけでした。もっと情緒的な表現を使って、臨場感を出したりする、そんなコミュニケーション力が全く無かったのです。

この記事の中で、中川氏は次のように述べています。
・・・子どものことばの発達を20年近く見てきた立場で言えることは、ことばはテレビやビデオからではなく、生身の人間との実際のやりとりを通じて身についてゆく、ということです。英単語を覚える前に育てておくべき力があります。それは、人と気持ちを通わせ、コミュニケーションできること。

中川氏は私の代言者のように感じてしまいました。私が提唱するTEEメソッドとは、正にその事なのです。『五感を使って、意識を伝え、言葉に結ぶ』TEEメソッドとは、真のコミュニケーション能力を育てる方法でもあるのです。

子育て中の親御さんは、我が子の英語教育について不安なことも多いかと思います。しかし、まずは、お子さんが日本語で自分の気持ちをきちんと伝えられるようになってから、英語に触れさせてもよいのではないでしょうか。まだ何も話すこともできない赤ちゃんのうちから、英語のビデオをかけっぱなしというような過激な早期英語教育は中途半端なバイリンガルをつくってしまうことにもなりかねません。



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