Wednesday, September 20, 2006

「The Book of Tea (茶の本)」

ここ数日、また暑さがぶり返していますが、体調管理はいかがですか?

今日は購入したばかりの「The Book of Tea」のお話をしたいと思います。そうです、岡倉天心の「茶の本」です。この本は、今年でなんと刊行100周年だそうです!今から100年も前に流暢な英語を操り、日本と西洋の美意識を欧米に向けて発信していたことに驚かされます。

もう8年ほど前になります。当時、私はフランスのリヨンに留学中でした。日本から遊びにやって来た妹と南仏を旅行しようと言うことになり、地中海まで南下する途中で、ゴッホの所縁の地アルルに立ち寄り、一泊することにしました。一日あればゆっくり観光できるほどのとても小さな街です。
ゴッホが入院していた精神病院の中庭を見学し、その近くのカフェでお茶を飲んでいた時、目の前の本屋のウィンドウに飾られた本の「Le Livre du The」というタイトルが目に飛び込んできました。「The Book of Tea」(茶の本)のフランス語訳でした。どうしてこんなところにこんな本が...と驚いたのを思い出します。観光客で溢れるこの小さな街で、奇しくも日本人の本を見付けるなんて。しかも、岡倉天心は茨城に所縁のある人物です。晩年は北茨城市の五浦で過ごされることも多かったとか。

The Book of Tea」を手に取った時、あの夏のアルルの青空とオレンジ色の町並みが蘇って来ました。あの時どうしてあの本を買わなかったのか... 


1906年ニューヨークで出版されるや否や、瞬く間に全米のベストセラーになった「The Book of Tea(茶の本 )」は、ヨーロッパにもその評判が伝わり、独訳(1922)仏訳(1927)が出版されたそうです。
新渡戸稲造の「武士道 Bushido」とともに、当時の欧米の知識層が日本人の価値観を理解する重要な手がかりとされたようです。

海外生活経験者の多くは、海外で改めて日本文化の素晴らしさに気付くといいます。 実は、私もそのひとりです。お習字は多くのフランス人に喜んで頂きましたし、着物の着付けも役に立ちました。
共通語としての英語の習得も大切ですが、もうひとつ何か日本の伝統文化を身に付けていることで、日本人としての誇りとアンデンティティが生まれるように思います。


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