Wednesday, February 07, 2007

イギリスの春とラッパ水仙‘daffodil’

 最近、週に1回のペースで実家に帰っています。両親も私も水戸市内に住んでいるのですが、水戸市の東端と西端という具合に離れてしまっているので、『行こう!』と思わなければなかなか行かなかったりするわけです。先週末の夕方実家に帰ると、母が『ほら。今年初めて咲いた水仙。庭に咲いていたから、あなたにあげようと思って取っておいたの。』と言って、新聞紙に包んだ一握りのラッパ水仙を手渡してくれました。今年は例年に無い暖冬の為か、2月にいくつか咲き始めたようです。

 水仙を見ると、何故か私はイギリスでボランティアをしていた頃を懐かしく思い出します。もう10年以上前のことです。当時私はノーサンプトンに程近いWillingbrough(ウィリンバラ)という小さな町の身障者施設で住み込みのボランティアをしていました。その施設の前の通りには、数え切れない程のラッパ水仙が植えられていて、通りの両側を黄色く染めていました。近くには高校があり、学校帰りの高校生が制服を着て通り過ぎていくその足元には、黄色く揺れる水仙が今でも目に浮かんできます。これが私のイギリスの春のイメージです。

 水仙は英語で‘narcissus’ですが、ラッパ水仙には‘daffodil’という名が付けられています。
その当時、私がイギリスで買って読んでいた本にラッパ水仙の描写があります。日本でもベストセラーとなった『ソフィーの世界』の英語訳で、タイトルはそのままズバリ『Sophie's World』という本です。


It was early May. In some of the gardens the fruit trees were encircled with dense clusters of daffodills.・・・It was extraordinary how everything burst forth at this time of year! What made this great mass of green vegetation come welling up from the dead earth as soon as it got warm and the last traces of snow disappeared?

<五月になってまだ日も浅く、あちこちの庭ではラッパ水仙が果樹の根元にびっしりとよりそうように咲いていた。・・・この季節、何もかもが芽吹き、いっせいに伸びはじめる。どうして暖かくなって根雪が消えると、死に絶えたような大地から緑の葉っぱや草が湧き出すのだろう? 『ソフィーの世界』 NHK出版より抜粋>


 『ソフィーの世界』の舞台は北欧のノルウェー。緯度が高いこの国では5月は早春のようです。日本では3月~4月に当たるのでしょうか。
イギリスで春を迎えて以来、何故かラッパ水仙‘daffodil’は、私にとって春を告げる花になっています。


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2 comments:

Anonymous said...

昔の人が早く春が来て欲しいという願いを込めて設定した2月4日の「立春」が、今、地球温暖化のせいで現実のもののなりつつあるようですね。この時期に咲くラッパ水仙は嬉しいようで、かなり怖いですね。

Dr. Lingua said...

 今回初めてコメントを頂き、また前回のブログの「イメージ」の方にも書き込みして下さって、ありがとうございます!またコメントして下さいね。